こんにちは、とろと言います。
最近、新築注文住宅を建てようと今現在まさに計画している真っ只中なんですが、ほとんどの方が組むであろう住宅ローンは基本的に35年で組む方が多いと思います。
我が家でも35年で5000万円(仮)の住宅ローンを組む予定でいるのですが、30代後半にもなる私が35年の住宅ローンを組んでしまうと、70代まで支払わなくてはいけません。
70代となると、定年を迎え年金生活をしている可能性が高いです。
年金で住宅ローンを支払っていくのは正直キツいため、我が家では繰上げ返済をしていこうと考えています。
夫である私が定年を迎えるまでに25年ほどあるため、その25年間で返済するためにはいくらの繰上げ返済をすればいいのかシミュレーションをしていこうと思います。
繰上げ返済とは?
毎月支払っていく返済の金額とは別に、まとまったお金を返済することで、住宅ローンの期間を短縮する『期間短縮型』と、月々の返済額を下げたりする『返済額軽減型』の2種類があります。
期間短縮型
月々の支払い金額は変わらず、返済期間を短くする繰上げ返済方法のこと。
我が家の場合、35年から25年に縮めたいので、こちらを選ぶことになります。
期間短縮型は、返済期間を短縮するだけでなく支払う利息も大きく軽減することが出来ます。
返済額軽減型
返済期間は変わらず、月々の支払いを下げることが出来る繰上げ返済方法のこと。
例えば、月々10万円の支払いを月々8万円に下げることで月々の支払いの負担軽減につなげることが出出来ます。
また期間軽減型ほどではないですが、支払う利息も多少抑えることが出来ます。
35年から25年に縮めるわけですから、10年間という期間を繰上げ返済で短縮しなければいけないので我が家の場合、繰上げ返済の種類は『期間短縮型』を選びます。
35年の住宅ローンを25年に縮めるために必要な繰上げ返済額
以前の記事でも書きましたが、我が家の場合は変動金利で借りて、毎年繰上げ返済を行うことを決めました。
毎年60万円ずつ繰上げ返済した場合
繰上げ返済なし | 繰上げ返済あり | 差 | |
総返済額 | 5591万3191円 | 5417万5219円 | 173万7972円 |
利息合計 | 591万3191円 | 417万5219円 | 173万7972円 |
返済期間 | 35年 | 24年11か月 | 10年1か月 |
総繰上げ返済額 | なし | 1440万円 | ー |
毎年60万円の繰上げ返済を行い、トータルで1440万円の繰上げ返済をすれば10年1か月の期間を縮めることが出来ます。
繰上げ返済なしと比べて173万円も利息を減らすことが出来たので、利息の面でもお得になりました。
これで答えは出ましたが、「毎年60万円もの繰上げ返済ってそもそも出来るのか?」という話になってきます。
繰上げ返済をする際は『余裕資金』でやるべきだと思っています。
我が家の場合、年間での最低貯金を200万円に設定しています。
200万円の内、年間40万円はつみたてNISAで投資資金に回しているため、すぐ使えるお金は160万円になります。
この160万円から毎年60万円の繰上げ返済を行えば、手元に残るのは100万円。
これから子供が産まれたり、住宅のランニングコストなど今までに掛かってこなかったお金が更に増えるため、実際に手元に残る貯金額は50万円かもしれませんし、はたまた一切残らないかもしれません。
そういった状況で繰上げ返済をするのは得策とは言えませんし、他のことにお金が使えなくなってしまっては本末転倒になってしまいます。
では、どうしたら余裕資金を蓄え、繰上げ返済が出来るようになるのかを考えていきます。
住宅ローン控除を考慮して繰上げ返済を考える
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用して住居を購入した場合に最長13年間、所得税や住民税から控除される制度のことを言います。
引用元:国税庁
毎年年末にいくらの住宅ローン残高が残っているか、更に住宅の種類によっても控除額が変わってきます。
ちなみに一番控除額が貰えるのは2022年~2023年居住の新築住宅で長期優良住宅になります。
住宅ローン控除額 = 年末時点での住宅ローン残高 × 0.7%
我が家では、2024年以降に住む可能性が高く、尚且つ長期優良住宅で建てる予定なので、2022年~2023年住みの方々よりも控除額は減ってしまいますが、それはもうしょうがないと諦めるしかないですね。
つまり、今現在住宅を持とうと考えている方なのであれば2025年までに持つことを強くおススメします。
この住宅ローン控除額も踏まえたうえで、更に効率よく支払っていける繰上げ返済方法を模索していきます。
5000万円の住宅ローンで得られる住宅ローン控除額
例:2024年1月に住宅ローン開始、2025年1月から繰上げ返済開始と仮定
年 | 住宅ローン年末残高 | 控除額 |
2024年(1年目) | 4872万3587円 | 31万5千円 |
2025年(2年目) | 4743万8854円 | 31万5千円 |
2026年(3年目) | 4614万5746円 | 31万5千円 |
2027年(4年目) | 4484万4207円 | 31万3900円 |
2028年(5年目) | 4353万4182円 | 30万4700円 |
2029年(6年目) | 4221万5616円 | 29万5500円 |
2030年(7年目) | 4088万8455円 | 28万6200円 |
2031年(8年目) | 3955万2640円 | 27万6800円 |
2032年(9年目) | 3820万8117円 | 26万7400円 |
2033年(10年目) | 3685万4831円 | 25万7900円 |
2034年(11年目) | 3549万2721円 | 24万8400円 |
2035年(12年目) | 3412万1730円 | 23万8800円 |
2036年(13年目) | 3274万1801円 | 22万9100円 |
5000万円の住宅ローンの場合、住宅ローン控除額は13年間で366万3700円戻ってくることになり、平均すると毎月28万円ほど得られる計算になります。
つまり13年間は、毎年平均して28万円の資金を得ることが出来るので、そこに32万円を足せば60万円の繰上げ返済が毎年可能になります。
ただ単に毎年60万円の繰上げ返済を行うというよりは、毎年32万円の繰上げ返済を行うと考えれば多少負担は軽くなるのかなと思います。
では、13年後時点で住宅ローンはどうなっているのかをまとめてみました。
13年後の住宅ローンの結果
繰上げ返済なし | 繰上げ返済あり (毎年60万円/13年間) | 差 | |
総返済額 | 5591万3191円 | 5453万128円 | 138万3063円 |
利息合計 | 591万3191円 | 453万128円 | 138万3063円 |
返済期間 | 35年 | 29年4か月 | 5年8か月 |
毎年60万円の繰上げ返済を行った場合138万円の利息軽減と5年8か月の期間軽減をすることが出来ました。
13年間の繰上げ返済のみだと返済期間は4年と4か月残ってしまいます。
さらに、13年間しか住宅ローン控除を得られないため、住宅ローン控除を得られなくなった14年目からが問題になってきます。
14年ごと言えば、仮に子供の年齢で考えた場合中学生になり、翌年は高校受験を控えている年になります。
そこから更に大学進学となると、多分人生最大の出費が待っている可能性が高いです。
そのため、残り660万円の繰上げ返済をするよりも、繰上げ返済は一旦ストップし、家計に回した方が破綻しなくて済むのではないのかと考えました。
ただしそうなると、住宅ローンを25年で返済することが困難になってきます。
そこで、もう一つの案として25年後に一括で繰上げ返済をしてしまうという方法です。
25年後に一括で繰上げ返済をするために必要な金額
前述で毎年60万円を13年間繰上げ返済してきた場合の結果を出しました。
14年目になると住宅ローン控除を得られなくなり、尚且つ子供の学費に費やす資金が多く必要になってきます。
そのため、一旦繰上げ返済をストップし、25年後に住宅ローン残高だどれぐらい残っているかで一括で繰上げ返済出来るかどうかを判断したいと思います。
14年目から25年目の住宅ローン残高
例:2024年1月に住宅ローン開始、2025年1月から繰上げ返済開始と仮定
年 | 繰上げ返済あり |
2037年(14年目) | 2319万1883 |
2038年(15年目) | 2174万697円 |
2039年(16年目) | 2028万53円 |
2040年(17年目) | 1880万9885円 |
2041年(18年目) | 1733万133円 |
2042年(19年目) | 1584万733円 |
2043年(20年目) | 1434万1623円 |
2044年(21年目) | 1283万2740円 |
2045年(22年目) | 1131万4019円 |
2046年(23年目) | 978万5398円 |
2047年(24年目) | 824万6810円 |
2048年(25年目) | 669万8194円 |
結果を見ると、25年後の住宅ローンの残高は669万と当初の660万円よりも9万円ほどしか利息が増えていません。
毎年60万円を13年間だけ繰上げ返済をし、一旦繰上げ返済をストップ、その後25年目に一括で支払うためにはいくら必要かを算出しましたが、利息が9万円ほどしか増えていなかったのは面白い結果だなと思いました。
なぜそのような結果になったのかというと、住宅ローンの支払い方法の1つである『元利均等返済』にあります。
住宅ローンの支払いが始まった当初から13年間に毎年60万円の繰上げ返済を行ったことにより、多くの利息を削ることが出来たことが要因になっています。
例えば、住宅ローンが始まった当初は元金10万6000円ほどに対して、利息は2万7000円ほど掛かってきますが、25年目にもなると元金12万9000円に対して利息は4,000円ほどしか掛かりません。
つまり、住宅ローン当初に1か月ぶんの住宅ローンを繰上げ返済したのであれば利息を27,000円も削ることが出来ますが、25年後に1か月分繰上げ返済しても4,000円ほどしか利息は削れません。
結果、早く繰上げ返済をすることで利息を減らし、25年経った後でも利息は9万円ほどしか増えなかったということになります。
では669万円を25年後に一括で支払えるのかが焦点になってきますが、14年から25年目まで12年間あり、1年間で換算すると55万7500円。
さらに25年後であれば、年齢によっては退職金を貰っている可能性もあるため、こうした繰上げ返済方法の方が一番現実的かもしれません。
まとめ
5000万円の住宅ローンを35年から25年の10年短縮するためには、毎年60万円を繰上げ返済すれば可能だが、繰上げ返済は余裕資金で行うべし。
いかがだったでしょうか?
現実的に考えるのであれば25年後に一括返済も視野に入れて置けば、選択肢を増やすことが出来ます。
無理な住宅ローンはその後の破綻を生む可能性もあるため、常に危機感を持つことが大事かと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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